タコワサの食べどき

タコワサという食べ物がある。タコとワサビと調味料を混ぜた酒のつまみとして有名なやつ。

僕はこれが割と好きだ。プリッとしていて瑞々しいタコと、ピリッと刺激的なワサビ。あの相性がいい。あと、あの入っている謎の緑色の物体も好き。シャキッとしていて小さいけど抜群の存在感を発揮している。調べたら茎わさびらしい。へぇ〜。

 

割と好きなので、メニューにあったらついつい頼んでしまう。が、滅多に食べることはない。二行で矛盾しているように思えるが、これには深いわけがある。

タコワサが置いてある店というのはどんなところか。答えは簡単だ。居酒屋である。タコワサは日本酒の隣にいるのが一番似合う。そして、僕はお酒が飲めないし人付き合いもできないので、居酒屋に行くことがまずない。

 

これにより、タコワサとの邂逅が皆無になっている。

 

いや、まあ別に居酒屋にこだわることはないかもしれない。スーパーとかにも普通に売ってるし、それを買えばいいだけの話だ。

ただ、そうは簡単に行かない。そんな簡単な話だったらわざわざ書くまでもない。

スーパーで買うのはなんか違うじゃん。あくまでも偶然メニューで見つけて頼みたいんだ。タコワサを買って帰ったり、ましてやタコワサ目当てにスーパーに行ったりするほどじゃないんだ。あのアレみたいなもんよ、今ちょっといい例えが思いつかないけど。

それに、食卓にタコワサがいるとどうしても浮いてしまう。ご飯のお供でなければ、副菜という感じでもない。ましてや汁物なわけがない。どうしたって居心地が悪くなってしまう。「どういう役割でいてはりますの?」と京都人に問われてしまう。

 

そんなわけで、僕はなかなかタコワサと巡り会えない。そろそろ食べたくなってきた。酒も飲めないのに居酒屋に行くか、タコワサ目的でスーパーに行く大罪を犯すか、そのどちらかしかない。

もしくは自分で作るかだ。茎わさびが手に入るかが微妙だけど、ちょっと楽しそうではある。ただ、酒も飲めないのにタコワサ自作する人がいたら、僕ならなんで?と思うな。