個室サウナとインフィニティチェア

前々から気になっていた個室サウナというものに行った。

個室サウナなんてよほど何かないと行ってはいけないくらいの贅沢なところなんだけど、特に理由もなく行った。何もない日に贅沢をするという最高の贅沢。

とても最高。素晴らしい。世界中の個室がサウナになればいいのにと思った。サウナが抱えている唯一の弱点である、知らん人がいるという欠点を完璧に解消している。

自分の好きなようにサウナに入って、好きなようにロウリュをして、好きなように水風呂に入って、好きなように休む。これでいい。ここにすべてがある。

普段行くサウナと比べると数倍の値段だし、時間制限もあるんだけど、それが気にならないくらい素晴らしかった。将来はもう家にサウナがほしい。

 

さて、そんな個室サウナの休憩スペースに椅子があった。ただの椅子ではない。インフィニティチェアというやつだ。僕はこいつの名前を知っている。なぜなら、以前に結構念入りに調べたからだ。

少し前、別のサウナに行ったときこの椅子があった。座ったときに衝撃を受けた。詳しいことは調べてもらえば分かると思うけど、一言でいえば好きな角度に調整できるリクライニングチェア。

この椅子が凄まじい。なんというか無重力。快適さの具現化。椅子に座るということが快楽に繋がるという現象に初めて遭遇した。

メチャクチャ欲しくなった。調べてみたらそこそこの値段はするけど、手が出せないという程ではない。本気で買おうかと思った。

ただ、一つだけ問題があった。それはソファだ。僕の家にはもうソファがある。普段座ったり寝転んだりしているソファがある。これとインフィニティチェアはあまりにも競合すぎる。

そもそもそこそこ大きめの椅子を2つも置くスペースがないし、仮に置けたとして2つ使い分けるなんて器用な真似もできない。今のソファでも十分満足している。そう思って、インフィニティチェアを泣く泣く諦めた。

 

そんなインフィニティチェアと、また出会ってしまった。諦めたはずなのに、熱が再燃してしまった。本当に買ってしまうかもしれない。その先に待っているのは悲劇だけなのに。