コクの正体

ラーメンのレビューを書いているときに、知らず知らずのうちに使っているワードがあった。

それが「コク」

最初に書いた段階では、3件中3件に入っていた。140字という制限もあったし、内容がかぶるのは良くないと思ったので削ったけど、それでも1つ入った。だってこのワード使うと美味しそうになるんだもん。しゃーない。

このコクというワード、意味はそんなに分かっていない。コクとはなんなのか、何も理解しないまま使っている。これは良くない。ただ、なんとなくコクがあるとかないとかは自分の中にある。僕なりのコクを考えてみる。

まず、コクを言い換えるとしたらなにかを考える。「旨味」とはまた違う気がする。コクと旨味はなんか並立しているイメージだし、美味しいけどコクは感じられないものもある。

コクに一番近いものは何かを考えたとき、出てきたのが「深み」だ。なんとなく、これが一番しっくりくる。じゃあ今度は味の「深み」ってなんだという話になる。味に穴があるわけでもあるまいし。

 

 

ここで一旦脱線して、絵の話になる。僕は美術でMAX3しかとったことないので、そんな美的センス0の戯言と思ってほしい。

陰影をつけることで、絵に立体感が出るらしい。光が当たっているところと、影になっているところ、その使い分けで奥行きを醸し出しているのだとか。

これに近いのがコクではないかと僕は捉えている。つまり、色々な味が複雑に混ざり合って、味に立体感や奥行きが出ている様が、コクがあると僕は言っていると思われる。

そして絵に陰影をつけるとき、2色だけでつけるものではない。少しずつ濃度を変えながら、より立体的になるように影をつけていくらしい。

コクも似たようなものだ。ある味を強く感じる一方で、別の味も感じることがあるし、それぞれが混ざりあった味もする。味のグラデーション、これがより強いコクを生み出している。

さらに、コクがあって「美味しい」ものは、このグラデーションの使い方が上手いものなんじゃないか。ただ色々な味を出したいなら、雑多な材料をブチ込めばいいだけだ。

材料を取捨選択して、それぞれに最適の調理を施すことが美味しさにつながる。それぞれの味のコントラストの付け方、これがコクが美味しさに繋がるポイントなのではないだろうか。

 

なんて偉そうに語ったけど、僕は結構バカ舌なので何食べても「おいし〜」って思うんですけどね。