口に出しては言わないだけで

今日は1日中家にいたので、一言も喋らなかった。けれど、何の言葉も考えなかったわけではない。朝起きたときには眠いなと思ったし、豚バラを炒めて油が跳ねたときには危ねっと思った。ただ口に出さなかっただけだ。

こんな感じで、誰かの頭の中だけで完結した言葉はたくさんあるんだろう。この世界は数え切れないほどの言葉に溢れていて、それを遥かに超えるほどのおびただしい数のアウトプットされなかった言葉があるのだろう。ただ、言ったり書いたりされなかっただけのものが。

例えば、僕がさっきご飯を冷凍するためにラップに包んでいたとき、ちょっとだけ余ったやつを見て「余米(あまらいす)」と考えた言葉は、今まさにアウトプットされただけであって、このまま僕の頭の中にだけあってそのまま消えていってもおかしくはなかった。そして、アウトプットされるべきでもなかった。

アウトプットされなかった言葉の中にはとんでもない名文や名句、名著になりえたものがあったのかもしれない。これは全然関係ない話なんですけど、名文、名句、名著とは言うけど名詞とは言わないですよね。いや、名詞ってワードはありますけどあまりにも性質が違いますよね。なんか不思議ですね。

つまり何が言いたかったのかというと、なんだったっけな。風呂入っているときはいい感じのオチを考えていたんですけど、いつの間にか消え失せてしまいましたね。結末は僕の頭の中にだけあった、ということで一応オチがついたことになりませんでしょうか。