オイスターソースの抵抗

家で料理をするときは、クックドゥみたいな合わせ調味料をちょこちょこ使う。食材を買ってきて、切って炒めれば出来上がるので簡単だし、一度作れば数日分になるので便利だ。

だがたまに、本当にこれでいいのかという気分になる。

料理の醍醐味の一つは調味料を足したり引いたりしながら、少しずつ味を整えていくところにあるような気がする。それを一切放棄して、最初から合わせられた調味料で作る料理は、果たして料理と言えるのか。

まあ多分立派な料理とは言えるんだけど、それは一回置いておく。

そんな疑問を抱えたとき、僕はオイスターソースを使う。中華系のやつなら大体使う。なぜなら、なんか入れたほうがいい気がするからだ。

合わせ調味料で作った酢豚にオイスターソースをちょっと入れれば、なんかコクが出るような気がするし、それだけで本格的になった気がする。僕は馬鹿舌の味音痴なので入れたか入れてないかでどう変わるかはまったく分からないけど、それでも入れる。こうして、合わせ調味料に対してささやかな抵抗を行う。

果たして意味があるのか。ないのかもしれない。元から合わせ調味料にオイスターソースが入っている可能性だって十分にあるし、さっきも書いたように味の違いもわからない。それでも、なんかちょっと美味しくなったような気がすると感じられるだけ、意味があるのかもしれない。