運命の味ぽん

味ぽんを買った。

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冷凍のミックスホルモンが余っているので酢もつでも作ろうかと思ったけど、味ぽんがなかった。だから買った。

家に持ち帰ってもう一度よく見たとき、この味ぽんに運命を感じた。

この味ぽんは世界に一つしかない。同じ商品は大量にあるけど、これは一つしかない。むしろ、大量にほぼ同じものがある中で一つだけ選ばれたのだ。正確には一番手前にあったから取っただけなんだけど、それでもこいつが選ばれたのだ。これを運命と言わずに何と言う。

 

違う運命の感じ方もできる。味ぽんの原料には醤油とかかんきつ果汁とかが入っている。この醤油、そしてその醤油の原料となった大豆、あるいは果汁を出した何かしらのかんきつ類、それがたまたま僕が買った味ぽんになった。

一歩違ったら納豆になっていたかもしれない大豆と、一歩違ったらお風呂に浮かんでいたかもしれないかんきつ類が組み合わさっている。

もっと言えば、容器である瓶も、蓋も、貼ってあるラベルも一歩違ったら全く別のものになっていたかもしれない。それが一同に会して、この味ぽんになっている。これを運命と言わずに何と言う。

 

この味ぽん自体も様々な人の手を経ている。最初はミツカンが作っていて、それを卸業者に売り、そこからさらに小売店に流れてきた。それを、僕が149円を支払って所有権を手にした。ちょっと違えば福井県のスーパーとか、宮崎県のコンビニとかで売られていたかもしれない。これを運命と言わずに何と言う。

 

そんなことを、この味ぽんを見ながら思っていた。なんでだろうね。味ぽんの重さがちょうど良かったのかもしれない。瓶に入っていて、程よく重くて程よくコンパクト。思いを馳せるのにちょうどいいサイズだったのかもしれない。

 

酢もつは美味しかったです。