字が汚い秘密

昔から字が汚い。

テストでは「きれいに字を書きましょう」と書かれ、同僚の人からは「もっと丁寧に字を書いた方がいいですよ」とコメントをもらい、家族からは「汚い」「読めない」「ミミズが這っているのかと思った」などと散々に罵られてきた。

なんでこんなに字が汚いんだろうと思っていたけど、もしかしたらと思う理由が一つある。

それは、他人に字を読まれたくないからだ。

 

あまりにもおかしな理由だ。もちろん自分用に書く文字もあるけれど、当然他人に向けて書く文字もあるわけで、それはちゃんと読んでもらわないと意味がない。それなのに、他人に読まれたくないと思うのは変な話だ。

ただ、なんとなく僕の中で腑に落ちる理由だ。

僕は若干の秘密主義の気がある。別にそっちの方がかっこいいと思っているとか、自分のブランディングとかでは全くなくて、ただ単になんとなく自分をさらけ出すのが怖いだけなんだけど。

そんなやつが日記を2年近く全世界に向けて公開しているというのは、大いなる矛盾があるように感じるけど、まあそんな矛盾した感情を抱くことなんてよくあることじゃない?今回の本筋とは関係ないので、その話はまたいつか。

 

そんな僕にとって、書いた文字というのは「自分」が出過ぎている、と思っているのかもしれない。だから、字が汚くなる。

それは、僕自身を鮮明に読み取ってほしくないという感情の表れであり、かつ内容に対しての批判の前に「字が汚い」という予想できる批判の的を置いて安心したいという恐れの表れなのかもしれない。

 

なんとなく字が汚い理由が分かった気がする。そんな気がして、恐怖の感情を抱かない状態で字を書いてみたら、普通に汚かった。

長々理由を垂れ流してしまったけど、多分ただ単純に字が汚いだけだった。そこに理由も秘密もなかった。