歩くときにどこを見るのが正解なのか

僕は人よりよく転ぶ。体幹が終わってるんだと思う。割と頻繁に段差でつまずくし足をぐねる。本当に何もない平坦な道でもたまにつまずく。

それだからなのかは分からないけど道を歩くときは自然と下を向いていた。だから猫背になる。もしかすると猫背だから下を向いているのかもしれないけど今となってはもう分からない。猫背で下を向いている人間であるという事実だけがあった。

ここで過去形になっているのは、最近は下も見てないからだ。引っ越してきた先がまあその、少し自然が豊かなところなのである。当然道端には得体のしれない生物がいる。僕は虫がとんでもなく嫌いなので見たくもない。でも下を向いていると嫌でも視界に入ってくる。カマキリやバッタ、生きているのか死んでいるのかわからないセミカニ、その他諸々。見るだけで寿命が一ヶ月位縮む感じがする。

そんなわけで下を向かなくなった僕がどこを見ているかというと、何も見ていない。完全に注意力を失って歩いている。人とか車とか動く物体は認識しているけどそれだけだ。下を見れば蠢く生物、前を見ればつまずく足元、もう終わり。誰か正しい歩き方を教えてほしい。