謎の金属片が一番怖い
部屋の扉を開けようとしたら、途中で突っかかった。
その部屋は引き戸になっていて、途中からスライドしなくなった。心当たりはありまくりで、絶対に部屋干しスタンドが引っかかっているだろうことは容易に推測できた。
この部屋干しスタンドは、使っていないときには扉がある壁に立てかけてあって、何かの拍子でこんな風に引っかかることがたまにある。構造上、その部屋に入れなくなるような引っかかり方は絶対にしないし、ちょっと力を入れれば扉は開く。
今日もちょっと強目にスライドさせたら、普通に開いた。それと同時に、「カランカラン」と小さい金属片が落ちる音がした。
こういう金属片が落ちる音は怖い。大抵は何かしらのパーツが壊れた音だからだ。
そして、小さい金属片はどこに使われているやつなのかが分からないし、分かったとしても修復するのが難しい。どこをどういう順序で戻していったらちゃんと機能する正しい姿に戻るの?となる。
部屋に入って床を見回してみたら、3cmくらいの細い金属の棒を見つけた。恐らく音を立てたのはこれだろう。
ただ、これが何なのかが分からない。とりあえず拾ったはいいけど、この先どうすればいいのか全く見当がつかない。
恐らく部屋干しスタンドの一部なんだろうけど、どこにあったものなのかが分からない。とりあえずそのままにしておいてあるけど、そのままでいいのかも分からない。この先どんな不具合が起こるかも分からない。もう何も分からない。怖い。