マークシートのストーリー

今日は資格の試験を受けてきた。マークシートの試験。4択×50問と中々にこちらの精神を削ってくる試験だった。こちらの精神を削ってこない試験なんて存在しないけど。

マークシートの試験を受けるのなんて結構久々で、いつぶりだろう。故・センター試験さん以来かもしれない。

そんなマークシートの試験だけど、これを受けているときはいつも、感情移入してしまう。何に感情移入するかというと、マークである。

マークシートというのは、ただの解答用紙ではない。一枚の紙の上で紡がれる、壮大な物語なのだ。そこには争いがあり、勝者と敗者が生まれる。筋書きのないドラマなのだ。

この物語の登場人物は4人、1と2と3と4だ。この4人が全50章という長大な話の中で覇権を奪い合う。

まずは序章、第1問から第15問。ここにおいてまず覇権を握ったのは、3であった。序盤からハイペースで駆け出した3は、15問中7問という驚異的な記録を叩き出した。それを4が4問、と2が3問で追い、1は大きく出遅れて1問だけとなった。

続いて中盤戦、第16問から第35問。ここでの覇権争いを制したのは4であった。序盤戦で3に次ぐ位置につけ、不気味にトップの座を狙っていた4が、ここで一気に躍り出た。3も追いすがるが、4の勢いを止めることができなかった。1は相変わらず少なかった。順位にすると、4>3>2>1。

終盤、第36問から第49問。ここでついに、奴がやってくる。1だ。全体のおよそ七割を泥水をすすりながら耐え忍んできた1が、ついにここでトップに躍り出た。三問連続で1のあと、2を一回挟み、再び二連続の1。苦労人の1の華々しい活躍に、誰もが涙を禁じ得なかった。その一方で、序盤に猛威をふるった3の姿を見かけることがほとんどなくなった。まさに栄枯盛衰、争いの厳しさを突きつけられるものであった。

そして、最終問題。ここを取って笑顔で終わるのは誰なのか。終始安定していた4なのか、古豪復活といきたい3なのか、苦労がついに実を結んだ1なのか。取ったのは……

2であった。

こうして戦いは終わった。果たして最終的な勝者は誰だったのか。もしかしたら、誰もいないのかもしれない。誰もが傷つき、疲れ果てた。戦いの虚しさだけが残った。常に戦いに挑んでいた他の三者ではなく、目立たないようにしていた2が最後を取ったのはそういうことなのかもしれない。

 

そんなことを考えていたら試験が終わりました。多分落ちました。