桃の狂騒曲

職場で桃をもらった。この一文だけだと説明が足りない気がする。あまりにも情報不足だとは思うけどまあそれは置いといて、桃をもらった。4個もらった。ちなみに去年ももらった。

さてこの桃という果物、フルーツ界でもワーストレベルで食べにくい果物だと思う。まず食べ頃が分かりにくい。もういいかな?と思ったらまだだったり、かといって放置してたらすぐ傷んだり。

そして、食べるときもめんどくさい。皮が薄くて剥きづらいし、しかも水分が多いのですぐにグズグズになる。しかも真ん中に大きい種が入っていて、これがしっかりくっついているので取りづらい。絶対にキレイには食べさせないぞという強い意志を感じる。

人間が食いやすいようになれというのも中々におこがましいとは思うけど、他の果物と比べてみてほしい。バナナなんかすごいじゃないですか。黄色くなってちょっと黒い斑点がついたら食べ頃で、皮もちょっと引っ張ったらすぐ剥ける上に持ち手にもなる。身も崩れることなくてあんなに食べやすいんですよ。イチゴなんてもう取ったらノータイムで食えますよ。

結局桃は流しでグズグズになりながら皮を剥いて果汁をしたたらせながら食べるしかない。もう大変だ。ちょっとしたイベントみたいだ。

それでも僕は桃を食べる。その面倒くささを補って余りあるほどに美味しいからだ。甘くて、ちょっと渋みがあるあの味は桃にしか出せない。瑞々しいという形容詞は桃のためにあるのではないかと思うほど、水分たっぷりでジューシーだ。とりあえず1つだけ食べようかと思ってたけど、4つ全部食べてしまった。

 

けどまあ、しばらく桃はいいですね。めんどくさいので。