4粒でもごま塩

いっぽんでもニンジン』という曲がある。日本で一番売れたB面曲なので、大多数の人が知ってるとは思う。

僕はこの曲の中で、ひとつだけ納得がいかない部分がある。それはもちろん、この日記のタイトルにもなっている「4粒でもごま塩」の部分だ。なんで納得していないか、その理由を挙げていきたい。

 

 

①ごま塩だけ非常にマイナー。

 

曲中に出てくるものは、人参・サンダル・ヨット・ごま塩・ロケット・七面鳥・蜂・クジラ・ジュース・イチゴとなっている。この中で、ごま塩だけ飛び抜けてマイナーだ。

別にごま塩がマイナー調味料と言いたいわけではない。立派な調味料ではある。ただ、他のものがあまりにもメジャーすぎる。

例えば、絵しりとりをしているとき、ごま塩以外のものだったらまあ伝わるだろう。ただ、ごま塩を絵で伝えるのはかなり難しい。まず、ごまの方が浮かぶだろう。

ちょっと役不足(誤用の方)感が否めない。異例の抜擢だ。いいように捉えればシンデレラストーリーだし、悪く捉えれば枕営業を疑われるかもしれない。

 

 

②「ご」から始まるワードが他にもある。

 

上で挙げた通り、ごま塩はかなりの大抜擢だ。しかし、「ご」から始まるワードの中で、「ごま塩」が最もメジャーだったとしたらまだ理解はできる。数え歌として成立させるためには、「ご」スタートが必須だからだ。

しかし、そんなワードはいくらでもある。ゴリラにゴルフ、碁石にゴーグル、ゴボウに五穀米、挙げていけばキリがない。そんな数多のワードを押しのけて選ばれるほど、ごま塩に市民権を得ているのか、非常に微妙なところだ。

 

 

③ごま塩を粒で認識することがない。

 

ごま塩を普段使う際に、果たして粒で数える人はどれくらいいるんだろうか。滅多にいないような気がする。

「今日はご飯にごま塩を120粒かけよう」と思う人は、そして実際に数える人は存在するのだろうか。

ごま塩の最小単位は粒ではない。もちろん、綿密に考えたら粒なんだろうけど、日常の中ではまずそうはならない。スプーン一杯、あるいはひとつまみが最小単位だ。

粒で捉えているのが違和感を覚える。

 

 

④ごま塩4粒という状況がありえない。

 

③で挙げた理由をくぐり抜けて、ごま塩を粒で数えることを許すとしよう。だとしても、ごま塩4粒というのはありえない。

ごま塩4粒という状況が成立するのは、ごま2と塩2・ごま3と塩1・ごま1と塩3・ごま4・塩4の5パターンしかない。

しかし、このすべてはごま塩4粒ではない。ごま2と塩2はごま塩4粒ではなく、ごま2粒と塩2粒だ。粒という単位まで細かく見ることで、ごま塩4粒という道を封じられているのだ。

 

 

以上のことから僕は「4粒でもごま塩」に納得がいってない。理由が4個しか挙げられなかったけど、まあ合格ラインでしょう。

それでは、次回「直接『七』が入ってる七面鳥を使ってもいいのか」でお会いしましょう。