調味料の画

ふと食べたくなったので、赤身の馬刺しを買った。

おぼろげな記憶を頼りにして、ネギとごま油をかけて塩で食べた。とても美味しかったので良かったんだけど、よく考えてみたらこれはレバ刺しの食べ方だった。

 

この時に使った塩なんだけど、わざわざ小皿を出すのが面倒だったので、馬刺しを乗せていた平皿に一緒に乗せてしまった。その結果なんか貧相に見えてしまったし、単純につけづらかった。

やっぱり小皿を用意すればよかったと思ったけど、馬刺しの隣に塩の小皿がある画がなんか想像できない。絶妙にチグハグな感じがする。塩の小皿の隣にあって一番しっくり来るのは、天ぷらな気がする。

こんな風に、どの調味料にも一番画になる場所というのがあるんじゃないのか、とふと思った。

例えば醤油。これはもう刺し身の隣だろう。あるいは寿司の隣。どちらにせよ、生魚の隣にあるのが一番しっくり来る。

味噌だったらキュウリの隣、酢だったらラーメン屋のカウンターの上だ。ラーメン屋のカウンターの上は、ラー油と胡椒もしっくり来るかもしれない。でも胡椒はカルボナーラの上でもいいな。

砂糖はちょっとアクロバティックな答えだけど、プリンの上になるかもしれない。あのカラメルが一番画になるとは思いませんか。

ソースだったらとんかつの上、甜麺醤は北京ダックの隣、スイートチリソースは生春巻きの横。全然関係ないけど生春巻きは大好き。

 

ここで挙げているのは別に、味の組み合わせとしてベストという話ではない。キュウリは塩もみでも美味しいし、とんかつにポン酢をかけるのも美味しい。そういう話じゃなくて、なんとなく画的に一番しっくり来る、イメージしたときに一番最初に出てくるものがあるんじゃないかという話だ。

 

そういう観点で考えると、一つどこもしっくり来るしどこもしっくり来ないものがある。深掘りしてないだけで無数にあるような気もするけど、そこまで深掘りはしません。

それは、マヨネーズだ。パッと代表格が思い付かない気がしません?相方っぽいケチャップには、オムライスという代表作があるというのに。

お好み焼きの上に乗っているのも、ゆで卵にかけてあるのも想像できる。唐揚げの横にいるのも、生野菜にかけてあるのも、エビに絡まっているのも、明太子と混ぜられているのだってある。

代表作は持たないが、どこにでも顔を出すことができる。悪く言えば器用貧乏と捉えられるが、良く言えば和洋中を問わないオールラウンダー。マヨネーズはすごい。すごいと思いました。

おわり